目薬の開封前の使用期限は、「処方薬:1年くらい」「市販薬:6か月~3年くらい」、開封後は防腐剤が入っているものは「処方薬:1か月くらい」「市販薬:3か月くらい」、防腐剤フリーのものは「10日前後」ですが、市販薬では1か月のものも。
期限切れの目薬は、「薬剤の成分の劣化によって、効果の低減や容器内に雑菌が繁殖している可能性がある」ため「開封前、開封後にかかわらず使用NG」です。
ほとんどの目薬は冷蔵庫に保管した方がいいですが、「冷気の吹き出し口付近」には置かないこと。
古い目薬を使ってしまった時は、「容器内に繁殖した細菌によって感染症を引き起こす可能性がある」ので、すぐに流水で洗い流し、眼科で診てもらうのがベスト。
今回は、目薬の開封前、開封後の使用期限、期限が過ぎたら使用はNGなのか?冷蔵庫に保存すべき?古い目薬を使ってしまった時の対処法について調べてみました。
開封前の使用期限
目薬の「開封前の使用期限」は「処方薬は1年くらい」「市販薬は6か月~3年くらい」。
目薬の外箱に記載されているので確認してみましょう。
ただし、これは「正しい保管環境に置かれている場合」に限ります。
正しい保管環境とは「直射日光を避け、高温にならない場所」など。
これについては後で説明しますね。
開封後の使用期限
「防腐剤が入っているもの」と「防腐剤フリーのもの」では使用期限は変わります。
防腐剤が入っているもの
「開封後」の使用期限は「処方薬で1か月くらい」、「市販薬で3か月くらい」。
この違いは、目薬に含まれる「防腐剤の量の違い」によるもの。
市販の目薬の方が、防腐剤が多く入っているということですね。
防腐剤は、「目薬の容器内に細菌が繁殖しないようにするため」、ある程度は必要なものだそうですが、今は防腐剤フリーの物もありますね。
防腐剤フリーの目薬
「開封後」の使用期限は「10日前後」。
ドライアイやアレルギー性結膜炎の目薬にはこのタイプがあります。
ただし、市販の目薬には防腐剤フリーで「1か月持つもの」も販売されています。
ライオン(株)の「スマイルシリーズ」は、独自の「防腐剤無添加技術」を用い、「従来の防腐剤入りと同等の使用期限」を可能にしています。
なんと、「目薬の緩衝材などにもともと使われている成分」の組み合わせで実現しているそう。
その成分はこちら
・3トロメタモール
・ホウ酸
・エデト酸Naなど
期限が過ぎたら使用NG?
「開封前」「開封後」にかかわらず、使用期限が過ぎた目薬は使ってはいけません。
使用期限が過ぎた開封前の目薬は?
開封前であっても、時間の経過とともに中の成分が劣化し、それによって薬や防腐剤の効果が無くなってしまいます。
効果のなくなった目薬は、使う意味がありませんよね。
使用期限が過ぎた開封後の目薬は?
時間の経過とともに、中の成分が劣化し、効果が無くなるのは開封前の目薬と一緒です。
更に、一度でも使用した目薬は、まつ毛についている細菌や真菌が、容器内で繁殖している可能性があるので、使用NGです。
冷蔵庫に保管すべき?
目薬によって「管理する温度が違う」ため、必ずしも「冷蔵庫に保管すべき」とは言えないようです。
目薬の保管温度
- 室温:1~30℃
- 冷所:1~15℃
- 冷暗所:15℃以下で、かつ直射日光が当たらない場所
- 温度指定:特定の管理温度が決まっているもの
多くの目薬は1~3に該当します。
冷蔵庫内の温度はだいたい4~5℃なので、冷蔵庫に入れても問題ないようです。
むしろ、「開封後の目薬」は、「雑菌の繁殖を防ぐためにも」冷蔵庫で保管することをおすすめします。
注意点としては、温度の低い「冷気の吹き出し口付近には置かない」こと。
凍ってしまう可能性があり、それによって成分が変化してしまうようです。
冷蔵庫で保管してはいけない目薬
しかし、冷蔵庫に保管してはいけない目薬もあります。
例えば花粉症治療の「リザベン点眼液」。
長時間冷やすと結晶が析出(分離)し、使用できなくなるそうですよ。
このタイプは、冬場の寒い地域では、温度の低い部屋に置かないなどの注意も必要かもしれません。
保管のポイント
直射日光を避け「涼しい場所」に。
「遮光」の記載があるものは「添付の袋」に入れる。
「冷所、冷蔵保管の指示」があるものは、「冷蔵庫」で。
*目薬によって管理する方法は違ってくるので、まずは「説明書をチェックする」のがとても大切です。
古い目薬を使ってしまった時の対処法
うっかり古い目薬を使ってしまった時は、「流水で洗い流し」、できればすぐに「眼科で診てもらう」のがベストです。
そのままにしておくと、目薬の中に繁殖した菌により、感染症を引き起こすこともあるそう。
目薬は「生もの」だと表現するドクターもいます。
「生もの」として考えると、使用期限切れの目薬がいかに危険か、イメージし易いですね。
期限切れの目薬の使用を避けるには、症状が改善したら、早めに処分する、というクセをつけるといいですよ。