じゃがいもの中身(中心)が茶色のものは「食べても大丈夫」なようです。
紫に変色している原因は,「ポリフェノールの褐変反応」や「低温障害」です。
透明になるのは「栄養の通り道である維管束がほかの部分よりも少ないため,じゃがいものもつカタクリ粉が少なく,色が薄く半透明になる」とのこと。
じゃがいもが黒く変色するのは,「褐色心腐れ病」や「そうか病」,「褐変反応」,「水煮黒変」,「黒カビ」などの理由があります。
ダメな空洞の見分け方は,「空洞が黒く変色しているか」,「臭いか」,「断面に黒い点があるか」です。
今回は,じゃがいもの変色や空洞の原因や,その場合食べられるかどうかなどについて,ご紹介していきます。
じゃがいもの中身が茶色は食べられる?
じゃがいもの中身が茶色は食べられます。
しかし,固くなっていて味が落ち食感が悪いので,取り除いた方がよいです。
茶色に変色しているのは,高温や乾燥による水不足で細胞が変色する「褐色心腐れ病」や,じゃがいもの表面に傷がついてそこから菌が入って病気になる「青枯れ病」,「輪腐病」などがあります。
青枯れ病は,ししとうやとまとなどのナス科の植物がかかりやすい,細菌による土壌病害です。
茎などに傷がつくなどして,そこから土壌中の細菌が,水とともに入ってしまうことで起こります。
輪腐れ病とは,じゃがいもやわさびなどに起こる植物細菌病です。
この病気になったじゃがいもを切ってみると,輪っか状に茶色く変色しています。
薄い茶色の場合は食べても大丈夫ですが,黒い点のある場合は必ず取り除いてから食べましょう。
紫に変色した原因
紫に変色している原因は,「ポリフェノールの褐変反応」と「低温障害」です。
まず,「褐変反応」は,じゃがいもに含まれる「チロシン」というアミノ酸の一種が酸化し,「メラニン」に変化し蓄積されることで,ピンク,赤,褐色,紫,黒というように色が変わります。
りんごやもも,ばななの果物や野菜,いも類にも多く発生する現象です。
じゃがいもを切ってしばらくしてから変色するのは,「剥皮褐変」が起こるためです。
切断面が空気に接することで,褐変反応が起こります。
防止策として,「水にさらす」,「酢水につける」,「冷凍する」という3つの方法があります。
「酢みずにつける」場合,小さじ1ほどの酢を混ぜた水を張ったボウルなどに,切ったじゃがいもを10分程度つけることで,酵素の働きを抑え,変色を防ぎます。
冷凍する場合は,水分が抜けてしまうため,じゃがいもそのままではなく,マッシュにするのがおすすめです。
一方,「低温障害」は,気温2度以下で保存すると起こり,切ってみると赤やピンクの斑点が出るなど,中身が変色します。
どちらにしても,食べても大丈夫なようです。
透明の原因は?
じゃがいもが透明な原因は,「じゃがいもが持っているかたくり粉が少ないため」です。
なぜかというと,じゃがいもの栄養分などが通る維管束は,周囲の部分よりも中心部は少なくなっており,周囲よりも遅れて栄養がたまることになるからです。
かたくり粉が少ないと,色は薄く半透明になります。
病気などではないので,食べることができます。
黒い時は?
じゃがいもが黒くなる原因は、以下です。
- 腐っている
- 黒カビ
- 水煮黒変
- 褐色心腐れ病
- 黒色心腐れ病
- 褐変反応
全体的に黒い場合は,腐敗の可能性が高いので食べてはいけません。
「褐色心腐れ病」や「黒色心腐れ病」,筋状や輪っか状に黒くなっている場合は,その部分をしっかり除去すれば食べることが出来るそうです。
ゆでたら黒い点や黒ずみが出てきた場合(水煮黒変),その部分を切り落として食べるようにしましょう。
また,加熱前に酢水にさらすことで防ぐこともできます。
じゃがいもを切って冷蔵庫で保管したら黒くなった場合は,味が落ちてしまっているので,そうなる前に切ってすぐ水にさらしたり,すぐ調理したりしましょう。
黒カビが表面についていたり,表面に丸いかさぶた状の病斑が表れている「そうか病」であったりする際(中までカビなどの問題がない時)は,厚く皮をむけば食べることが出来ます。
ちなみに,次のような症状がみられる場合は腐っている可能性が高いです。
- カビが生えている
- カビ臭い
- 芽が出ている
- 腐敗症や異臭がする
- えぐみがある
- ふにゃふにゃと柔らかい
- 酸っぱい味がする
- 糸を引く
- 黒い汁が出ている
また,緑色に変色している場合も食べてはいけません。
「ソラニン」というじゃがいもの天然毒素が多く含まれており,食べると腹痛や下痢,嘔吐などの食中毒症状が起こってしまいます。
ソラニンは加熱しても消えないので,注意しましょう。
ダメな空洞の見分け方
ダメな空洞の見分け方は,「空洞が黒く変色しているか」,「臭いか」,「断面に黒い点があるか」です。
そもそも,じゃがいも中心部に空洞ができるのは,肥料や気温,降水量などの関係で,成長段階で急激に大きくなり,中心部への栄養の供給が不十分であることが原因で起こります。
これは「中心空洞症」と呼ばれ,じゃがいもの品種にもよってこの現象が出やすいものとそうでないものがあるようです。
「褐色心腐れ病」や「黒色心腐れ病」の場合,その部分を取り除くことで食べることが出来ます。
一方,切った断面に黒い点が走っている「輪腐れ病」は,範囲が狭い場合はその部分を取り除けば食べられなくはないですが,広い場合は食べずに処分しましょう。
また,空洞が黒くなっていて,すごく臭う場合は食べないようにしてください。