カレーやシチューに使用するローリエは、ネギで代用OKです。
他にも、ナツメグやローズマリー、バジルといったハーブで代用できます。
しかし、ピクルスやマリネといった「ローリエを使用した料理」ではローリエの代用品にはなりません。
実際のところ、ローリエはなくてもいい食材です。けれど、使用した方が料理の風味が増し、ワンランク上の仕上がりになることでしょう。
この記事ではローリエの代用品について詳しく解説しています。
ローリエはネギで代用OK?
ローリエが手元にない場合、ネギで代用OKです。
ネギをはじめとするユリ科の植物には硫化アリルという成分があり、臭み消しに効果があると言われています。
硫化アリルとは、ネギ特有のツンとした香りや辛みの素となる成分ですが、動物性の臭いを緩和させる働きがあるのです。
厳密には硫化アリルに消臭作用があるわけではないので、刺激臭によって他の臭いを打ち消しているといったイメージでしょうか。
例えば白ネギの場合、青い部分の方が臭いも強いため消臭効果がより期待できます。
青い部分はつい捨ててしまいがちですが、ビタミンやカロテン、カルシウムやカリウムといったミネラルなども豊富に含んでいます。
捨ててしまうのであれば、ぜひ有効活用してみてください。
冷凍保存もおすすめです。
また、ネギは時間をかけて加熱してもえぐみが出ないので、カレーやシチューのような煮込み料理にぴったりの代用品です。
しかしながら、ネギはローリエの香りとはあまりに異なるため、臭みが消せたとしてもローリエのような甘い香りまでは付きません。
ネギは代用品としては優秀ですが、香り付けまでしっかりとこだわりたいのであれば、やはりローリエを使用するのが良いでしょう。
なくてもいい?
ローリエは主に香り付けや臭み消しを目的として料理に使用されるので、絶対的に必要なものではありません。
どちらかというとあった方がいいけれど、別になくてもいい、補助アイテムのようなものです。
ローリエを使用すると、臭み消しだけでなく特有の甘い香りもつけられるため、風味豊かな料理に仕上がります。
では、そんな補助アイテムであるローリエとは、一体どういったものなのでしょうか。
ローリエはハーブの一種で、月桂樹の葉を乾燥させたものです。
生のままでも使用できますが、香りが弱く苦味が強いのでおすすめしません。
主な原産地は地中海沿岸。
葉っぱタイプと粉末タイプが販売されていますが、葉っぱタイプの方が使い勝手が良く、常備にはおすすめです。
粉末タイプは、臭みを消す効果が高いものの苦味も強くなります。
そのため、レバーのような臭みの強いもの以外は葉っぱタイプで事足りるでしょう。
ローリエと言えばカレーやシチューなど煮込み料理に使用することが定番ですが、煮込みすぎると苦味が出てしまうので長時間煮込むのは避けてください。
また、ローリエにはビタミンやカルシウム、鉄などが含まれており、香り成分に含まれているシネオールには、消化を促進させる効果もあると言われています。
このようなことから、ローリエはなくてもいいとは言え可能であれば使用する方がいい、と言えるのではないでしょうか。
ナツメグは使える?
ナツメグはローリエの代用品として使えます。
ナツメグとはニクズクという果実から取れる、ほのかな甘みとスパイシーな風味が特徴のスパイスです。
その甘い香り成分の中にローリエの甘い香り成分と同じものが含まれていることから、ローリエ同様に臭み消しに使えるのです。
特に動物系の肉やバター、生クリームなどの乳製品との相性が良いとされており、臭みを緩和し風味を整えてくれます。
しかし、魚介類との相性はあまり良くないため、ローリエの代用として使用するのであれば肉料理のみとするのが良いでしょう。
また、ローリエに比べると香りは弱くなるので、香り付けとして代用する場合は他のハーブも一緒に使用することがおすすです。
ローズマリーは?
ローリエとは少し異なる風味にはなりますが、ローズマリーもローリエの代用品として使用できます。
ローズマリーには抗菌や消臭効果があり、肉の臭み消しには最適です。
ヨーロッパでは古くからローリエの代用品として使用されてきました。
ローズマリーはシソ科のハーブで、松のような強い爽やかな香りと少し苦味があるのが特徴です。
香りが強いため、料理に大量使用してしまうとえぐみが強く出てしまう可能性があり、使用する際は少量にとどめることが大切です。
また、ローズマリーには酸化防止作用があるため、カレーやシチュー、ポトフなどに使用すれば鮮度を長持ちさせる効果が期待できると言われています。
ピクルスで代用してもいい?
ピクルスでローリエの代用をすることはできません。
ピクルスの香り付けとしてローリエを使用することはあります。
そのため、ローリエの代用品としてもピクルスが使用できるのではないか、と考えるかもしれません。
しかし、ピクルスがローリエの代用としての役目を果たすことはありません。
あくまで、ピクルスは「ローリエを使用した料理」なのです。
バジルで代用したい!
バジルはローリエの代用品として最適なハーブです。
バジルはローリエと同じ香り成分を含み、味も少し似ており、ローリエ本来の風味に一番近い代用品です。
バジルは料理に加えると臭みを消し、食材の旨みを引き出す働きをしてくれます。
しかし、バジルは香りが強く、他の食材の風味を打ち消しかねないため、最後に加えるか粉末状のものを上からパラパラと振りかける程度で十分です。
また、バジルとよく似たハーブであるパセリもローリエの代用品となります。
香りが強いバジルとは反対に、パセリは香りが強すぎることもなく主張しすぎないハーブです。
そのため、ローリエと同じような香りを求めるのであれば代用品としておすすめはできませんが、控えめな香りで構わない場合にパセリは有能です。
他にも大葉やセロリも臭み消しに効果があると言われています。
これらに共通しているのは肉や魚の臭み消しができるハーブやスパイスであることです。
基本的に爽やかな香りや苦味など独特の風味があり、抗菌や殺菌効果なども併せ持っていることが多いですね。
料理との相性はそれぞれ異なるため、調理法などをしっかり確認することができれば素晴らしい代用品となるでしょう。