手作りジャムの常温保存は,「煮沸消毒した瓶にジャムを入れ,脱気して密閉」します。
冷凍保存の際は,「一度に使う量をラップで小分けに包み,冷凍用保存袋に入れて,金属のバットなどの上にのせて」冷凍します。
常温保存の保存期間は「糖度40%以上:半年~最長1年」、「糖度40%以下:2か月~3か月」。
冷凍保存の保存期間は、「糖度40%以上:6か月~最長1年」、「糖度40%以下:不明」でした。
保存容器は「瓶やタッパー,ジップロックなどの保存袋」がおすすめですよ。
タッパー保存はOK。
できるだけ小さくて密閉性の高いものを使い、「短期間」保存する時に使いましょう。
長期保存のコツは,「冷凍すること」・「密閉すること」・「容器の消毒」・「必要な分量だけ取り出せること」・「砂糖の量を多めにすること」です。
今回は「手作りジャムの保存方法について,常温保存や冷凍保存,保存容器,長期保存のコツ」などについてご紹介します。
常温保存の手順・保存期間
常温保存の手順と保存期間です。
手順
- 容器とフタを食器用洗剤でよく洗う
- 大きめの鍋のなかに布巾を敷き,その上に瓶とフタをのせる
- 瓶全体がかぶるくらいまで水を入れる
- 鍋に火をかけ,沸騰したらそのまま5分置く
- 火を止め,「トングや軍手」などを利用して瓶とフタを取り出す(火傷に注意)
- 清潔な布の上に瓶とフタを置き,水気が残っていると雑菌が繁殖しやすくなるので,「しっかりと乾燥させる」
- ジャムを「出来立てのうちに」瓶に入れる(煮沸後に瓶が冷たくなっていたら,お湯で温めて水気をよくとってからジャムを入れる)
- 隙間ができないように,ジャムを瓶の「8~9割ほどまで入れたら軽くフタを閉めて1分待つ」
- 一瞬だけフタを緩め,「プシュッ」と音がしたら脱気できているのですぐにフタをしめる
さらに煮沸消毒する場合には,瓶を鍋に入れ,瓶の3分の2~4分の3くらいにかかるところまで水につけ,20分ほど煮沸。
その後「常温になるまで冷ましてから」冷蔵庫に入れるなど,保管場所に移動させましょう。
常温とは「常に一定した温度のこと(人が一般的に生活する温度)」なので、保存する際は「日の当たらないところ」に置きましょう。
特に夏は直射日光を避け,高温にならない場所で保存してくださいね。
保存期間
保存期間は、糖度40%以上の場合「半年~最長1年」(瓶詰め)。
開封後は冷蔵保存し,「2週間以内」に食べ切るようにしましょう。
糖度34%以下(瓶詰め)は「未開封で2~3か月」。
開封後は冷蔵庫で保存し,「1週間~10日以内」に食べ切るようにしてください。
なぜ糖度が高いと保存期間が長いのかというと,糖度が低いとだんだん水が出てきてカビや細菌の繁殖しやすい環境が作られるからです。
砂糖は水分を捕まえて離さない性質があるため,「糖度が高い方が保存がきく」そうです。
冷凍保存の手順・保存期間
冷凍保存の手順と保存期間はこちら。
手順
- 一度に使う分(食パンに塗る一回分やヨーグルトに入れる一回分など)ずつ,隙間がないようにラップでくるむ
- くるんだジャムを冷凍用保存袋に入れて,空気を抜いて口を閉じる(ほかの食材ににおいが移りやすいので密閉する)
- 金属製のバットやトレイの上にのせて冷凍する(急速に冷凍するために金属製のバットなどにのせる)
なぜジャムを小分けにするのかというと,「おいしさをキープするため」,「必要以上のジャムを解凍すると保存期間が短くなってしまうため」です。
ジャムは砂糖が入っているおかげで冷凍しても「カチカチに固まりにくく,すぐに解凍できます」。
しかし,再冷凍すると風味が落ちてしまうので,冷蔵保存可能な「2週間以内」に食べ切るようにしましょう。
一方,たくさん冷凍したい場合はこちら。
- 冷凍に対応した保存容器や保存袋に使いやすい量のジャムを入れる(袋の場合,3分の1~2分の1にすると空気を抜きやすい)
- フタをして(袋の場合は空気を抜いて口を閉め),冷凍庫の中に入れる
「瓶で冷凍すること」はNG。
瓶の中身が膨張し,割れる可能性があるからです。
牛乳や生クリームの含まれたジャムの冷凍は,冷凍によって分離するため,冷凍しない方がよいでしょう。
また,果肉の多いジャムなどの種類によっては,解凍するときに離水して水が出てきてしまうことがあるようですので注意しましょう。
保存期間
糖度40%以上のジャムなら,「6か月ほど」保存可能です。
ただし,一度解凍してしまってからの「再冷凍は風味が落ちてしまう」ので注意。
「解凍したら冷蔵保存で2週間以内」に使い切ってください。
保存容器は?
保存容器は「瓶」が良いです。
「煮沸消毒」・「密閉」が可能で,長期保存に向いています。
しかし,100円ショップの瓶は「完全密閉できないものも多い」ので注意しましょう。
冷凍用保存容器や冷凍用保存袋(フリーザーバッグ)を使っての保存も出来ます。
冷凍用保存袋は省スペースで保存できるという利点があります。
製氷機を使うのはNG。
前述したように,ジャムはカチカチに冷凍されないため,きれいに取り出せなくて,使い勝手が悪いようです。
また,一回分を取り出す際に,製氷機丸ごと取り出すと,ほかのジャムも解凍されてしまうので,製氷機の使用はおすすめしません。
以下,保存容器の参考になるもののリンクです。
冷凍保存容器があれば冷凍庫内がスッキリ! 選び方とおすすめ容器をご紹介
タッパー保存OK?
タッパー保存OK。
「短期間の保存」の時に使ってください。
理由は,「防腐剤が入っていない」と「完全に殺菌されない」からです。
タッパーで保存する際は,空気になるべく触れさせないために,できるだけ小さくて密閉性の高いものを使用しましょう。
また,雑菌をできる限り減らし,繁殖を防ぐために,耐熱性のあるものなら煮沸消毒をしたり,洗剤で洗ったらしっかりと乾燥させたりしておくとよいですね。
保存期間の目安は,冷蔵保存で「1週間~10日」ほどだそうです。
「冷凍に適しているもの」なら,冷凍保存は6か月程度(糖度40%以上),解凍後冷蔵保存で2週間ほど持たせることが出来るでしょう。
長期保存するコツ
長期保存のコツは以下です。
- 冷凍すること
- 密閉すること
- 容器を消毒すること
- 必要な分だけ取り出しやすいこと
- 砂糖の量を多めにすること
冷凍すること
冷凍すると,6か月保存できます。
温度の低さによって,腐敗や劣化が抑えられるので長期の保存が可能なんだそうです。
冷凍で風味を落とさないようにするポイントとして,「空気を抜いて薄くし,平たくして冷凍すること」と「できるだけ早く凍らせること」です。
密閉すること
脱気は空気を抜くことです。
密閉することでジャムが空気に触れることがなくなるので,カビや雑菌の繁殖を防ぐことが出来ます。
また,密閉することで,食品の酸化や乾燥を防ぐ効果があるそうです。
容器を消毒すること
容器を消毒することで,「容器についた細菌などを落とします」。
煮沸消毒は,洗剤で洗って落としきれなかった細菌を減らすことができるので,保存容器の煮沸消毒をしなかった時よりは少し長く保存できます。
ただし,保存容器の耐熱温度の確認をし,軍手やトングなどを使って火傷に気を付けながら行うようにしてください。
必要な分だけ取り出しやすいこと
必要以上のジャムを取り出すと,ジャムが空気に触れる回数が多くなるなど,カビや雑菌の繁殖がしやすくなり,保存期間も短くなります。
そのため,必要な分だけ取り出せるようにしておくと,おいしさを長持ちさせることができ,あるだけすべて解凍するよりも長く保存が可能です。
砂糖の量を多めにすること
ジャムの糖度が高いほど,長期保存が出来ます。
理由は前述したとおり,砂糖が水分をキャッチして離さないからです。
糖度が低いと水分が出てきてしまうので,カビや雑菌の繁殖しやすい環境を作り出し,腐りやすくなります。
そのため,糖度を高めに作ると長持ちさせることが出来ますよ。
とはいっても,健康のことを考えて糖分控え目にする場合は,できるだけ早めに食べ切るようにしましょう。